ひかくしてしまう「報告5日目」
初体験⑤ 避けていた店に行ってみる。
ママ友の集団が苦手だ。
「独身は気楽でいいわね」と責められている気になるからだ。元々女集団は苦手だ。学生時代から一人が好きだった。集団は気遣う事が多すぎてしんどい。女は1対1か最大3人くらいがちょうどいい。
だからママ友の集まる店は避けてきた。学校近くの喫茶店やファミレス。
ある喫茶店がこのママ友出没ゾーン内にあり、現在毎日初体験期間中の私はネタ探しに思い切って行ってみる事にした。
店内にはママ友の集団がすでにいた。
リーダー格らしい女性は私より若そうだが「家を建てるから土地を買った」らしい。
まるで別世界だ。うん百万だかうん千万の費用を返すあてがあるから建てるわけだ。それだけの借金を返す為に今後数十年働く覚悟があるわけだ。
数十年どころか数年も働けた試しのない私はその覚悟を心から尊敬する。(これは皮肉でも何でもない)
モーニングセットが届いた。もさもさと流し込む。
ゆで卵が胃に流れていかない。なんだろうこのしこりみたいなもの。咳がしたい。でも視線がこっちにくるのが怖い。
彼女たちはとめどなく不満を吐き出す。
聞かなきゃいいのに耳に入ってしまう。
聞き流せずに言葉は積もり積もりちっちゃな器の私の心臓からあふれて口を突いてしまいそう。
やばい、このままじゃ吐く。
耐えきれなくなり外へ出た。
彼女たちは悪くない。
店も悪くない。私が被害妄想的になってるだけなんだ。
車の中でしばらく横になる。(家から遠い店だったので父の車を借りた)
うぅ・・・、体調とか色々悪い条件が重なったんだ、大丈夫、そんな時もあるさ、
死にやしないさとつぶやくヘタレの32歳。無様な様を晒すように太陽が昇る。
今日のBGM かまやつひろし 「どうにかなるさ」