リチウム 「報告40日目」
蓮の花のつぼみがありました。
満月の夜の穏やかな高揚が持続すればいいのに。
まぁ続きませんでしたね。
良いことも続かないけど、悪いこともそう続かないさと言い聞かせてみる。
思い返せばもっとひどい時期があったし、音楽も文字も暖簾に腕押しだったあの頃に比べれば十分マシだ。
なんとか今は睡眠薬にも安定剤にも酒にも頼らずに生きている。
思い出す。
元同僚のIさんはジャンキーだった。薬で見る幻覚が楽しすぎて幻覚見るために色んな薬を飲んでいた。
いつでも肩の力が抜けたゆるいスタンスのIさんがうらやましかった。
「Iさんはなんでもそつなくこなせてうらやましい」
と私がこぼすと
「それなりって一番きついぜ」
とIさんは笑った。
Iさんは己の器用さに自分の限界を見た。それ以上でもそれ以下でもない行き止まり。あとは現状維持だけ。
そんな自分の将来に嫌気が指したのだろう。その先を観たくて、彼は幻想の世界に入り浸るようになった。
仕事中にバッドトリップするようになり、精神科病院に入院し、仕事を辞めた。
Iさんから手紙が届いた事がある。入院中の出来事が書かれていたが、そこにIさん自身の内面の記述はなく、
「ああこの人は退院してもまた同じ事繰り返すだろうな」と思っていたら案の定母親を殴って再入院した。
それから先は知らない。
Iさんがアンジーの「夜の行進」に出てくるビリケンみたいに「俺なんて安っぽい」と泣けたら
一緒に泣きながら夜の街を歩く友達がいたら 現状維持でもいいやと折り合いがついたんじゃないか
と思ってしまう。勝手な想像だとわかってはいても。
ハハハ、他人の事、過去の事で現実逃避しちゃっていかんいかん。
で、お前はどうするって話だ。
ネガティブモードのマイナスからゼロに戻ってどうプラスを加速させるか。
答えはまだない。けど、どこかにあるって思って生きてる。少なくとも明日はね。
うん、どうにかなるさ。うまくやれるさ。
初体験40 「喫茶店のバイトをする」
根暗な私に知人の経営する喫茶店の一日バイトの話が舞い込んだ。接客業&レジ打ちが苦手な私ができるのか?と前日までできるかどうか不安だったが、
ブログのネタにもなるし、一日だけだし、とやることにした。結果は大きなトラブルもなく、お客さんが少なかったのでレジでパニックになる事はなかった。けれど、じっと立ちっぱなしの仕事は、自分には向かないなと痛感。足がむくんでつらい。おしゃれなボサノバがかかる店に、おしゃれな服装(店指定の白シャツ&黒ズポン&かわいいエプロン)でコーヒーを入れる。が、頭の中ではギターをギャンギャン鳴らしていた。そうしないとむずがゆいのだ。頭の中は自由でいたい。
ちなみに今日のブログタイトルにしたリチウムはIさんがよく歌っていた曲。