北の大地へ①「報告87～89」
旅に至る経緯
正社員になって一か月が経った。
時期を狙っていたかのように人が辞め忙しくなる。
忙しいという字は「心を亡くす」と書くように、
なんだか大事にしたいものをなくしてしまいそうで焦る。そして思い立つ。
少し収入が増えたんだからお金を理由にできなかった事をやろう、と。
（もちろん第一の目的である一人暮らしの為の貯金は毎月きちんとしてます）
その一つが北海道旅行だった。
目的は二つ。
一つは北海道浦河町で行われる「べてるまつり」に参加する事。
一つは札幌在住の友人に約10年ぶりに再会する事。
8/2（木）
「旅行は準備が一番わくわくするのよね」と言う人がいるが、私は面倒だ。
前回の旅の反省をすっかり忘れてあれもこれもと荷物が増えてしまう。
23時。やっと重い腰を上げてリュックに詰め込む。就寝午前1時。
8/3（金）
午前5時起床。旅行当日は朝遅刻するのが怖くて眠れない（だったら早く準備しろよって話ですがこれがなかなか、ねぇ。）新聞を読み、出発。空港の売店で北海道の友人に渡すお土産を物色。熊本城と肥後椿がデザインされた手拭いを購入。売上の一部は熊本城再建のため寄付されるらしい。地元民には見慣れた商品も他県の人から見れば新鮮に見えるんだろう。
7時35分熊本発→羽田行きソラシドエアに乗り、羽田からエアドゥで新千歳空港へ。（写真は羽田空港の売店。チキンカツサンドばかり）羽田は夏休みシーズンだからか家族連れが多かった。エアドゥで隣の席になったおばちゃんは北海道のガイドブックを何冊も眺めている。観光するぞ！と気合いが伝わってくる。
初体験87 「エアドゥに乗る」
私は機内誌、機内放送を楽しむ。席は必ずトイレ近くの通路側。ひざ掛けを借りて腰と首にあてる。リュックは機内持ち込み足置きにする。
子どもが喜びそうな飛行機の歴史展示コーナー。11時半、新千歳空港到着。次は3時間バスに乗るので車酔いしないよう軽めの昼食。並ぶのは嫌いなのでフードコートで、味噌ラーメン650円を頼む。映画館に温泉もあるなんて都会の空港だな。
初体験88 「新千歳空港に行く」
北海道っぽい売店。ホワイトコーンとかウニとか。ちょうど、北海道150年式典のため天皇、皇后陛下が空港に来ていて自衛隊やら警察やらで空港ロータリーは混雑。予定より30分遅れてバスは出発。浦河行のチャーターバス四時間の旅、スタート。
空港からしばらく森しか見えない。もこもこと入道雲みたいな枝葉を伸ばす本州の広葉樹とは違うシュッとした針葉樹が目立つ。
森を抜けると牧場。お店が全然ない。昼間の今は「広いな――」くらいな平坦な感じでいられるが、夜ならずっと続く暗闇に不安になる気がする。同じ景色が続き眠くなる。
途中休憩は新冠町（にいかっぷちょう）の道の駅。この町は競馬用の馬を育てる牧場が多いらしい。気温が千歳より5度下がってひやっとする。競馬と言えばこの前観た寺山修司原作の映画「ああ荒野」で、「競馬は血統で決まる。だけど馬たちはそんな運命に逆らうように必死に走る。そこにロマンがあるんだよ」って台詞があったような。
（余談ですが「ああ荒野」前編後編合わせて4時間ありますが観て損はないです。「書を捨てよ街へ出よう」とか今までの寺山作品に比べて観やすい。扱ってるテーマは重いけど）
私は競馬より同じ道の駅内にあったレ・コード館が気になり、中に入る。レコード専用視聴ホールなど気になる物が沢山あったがバスの出発時間が迫っていたので泣く泣く去る。
初体験89 「レ・コード館に行く」
見学コース（レコードコンサート&蓄音器コンサート）ご案内 ｜新冠町
続く
