鬱と躁の間で 「報告59日目」
南国のような花。
「南さん、僕とっても寂しいの。寂しくて仕方がないのよ」
図書館のロビーでらくらくフォンが警報のごとく鳴り、話し始めた初老の男性は周囲の人をお構いなしに自らの辛さを語り出した。
「ご飯を食べても美味しくないの。どこに消えてるのかなー」
彼の会話が気になって仕方ない。私は悲しみとか怒りとかそういった負の感情に引っ張られやすい。まるで自分を見ているようで辛くなる。
そして過去とリンクしてしまう。
「俺はもううんざりだ。うんざりなんだよ!こんなクソみてぇな世の中は消えてなくなればいいんだ!」
数年前関東のターミナル駅で絶叫する男性がいた。
その時私は駅構内の本屋にいたが、ある人は聞かないように苦い顔で黙っていた。ある人は「うるせえな、勝手に死ねよ」とせせら嗤った。
私は狼狽えた。
「わかります、私もそう思いますよ」?
お前に何がわかるってんだ。気に障るだけだ。
「私は悲しい」?同情かよ。
何とかしたいけど、何が出来るんだろう。こんな時、甲本ヒロトなら気の利いた事をポンと言ってくれるのかななんて思って内に彼の声が消えた。もしかして線路に飛び込んだ?勇気を振り絞って声のする方へ走ると、彼はいつの間にかいなくなっていた。警察に連行されたのかもしれない。と思いつつ、気になって数日間、近隣の自殺情報を調べてしまった。あの駅の名前、彼と私のいた時間が出てこなくてほっとした。
未だに彼の事を思い出す。また、死にそうな誰かが現れた時に自分はその存在を無視しないで、直視できるような人でいたい。「死んじゃ駄目だ」とは言えない。「死にたければ死ねばいい」とも言えない。「とりあえず今日だけは生きて」か?なんとも心許ないが、何とかしたい。明日は我が身だ。
ふと、気付くとらくらくフォンの男性はいなくなっていた。
いつだって、出足が良くない。
暑いので夕方18時くらいが歩くのにちょうどいい。深呼吸をしてゆっくり歩く。でも心は静かに燃えている。
初体験59 左手で字を書く(私は右利き)
意外にうまく書けた。もっとふにゃふにゃした字になるかと思いきや。毎日左手で書くと字が上手くなるらしい。
毎日は無理かもしれないが、左手で書き続けていこうと思う。で、どれくらい字が上達するか比較する予定。
うーん、このままだと中身が薄いな。
先日、学童保育のボランティアをしないかと誘われた。私は子どもが苦手なので、やるか悩んだが、半日だし、近くにボランティア仲間もいるのでやることにした。
決定打は8/9の山下陽光さんのブログで、「ノリよく、誘いにはすぐのっかるとやりたい事に巡り合う」(私の世読み違いだったらすみません!)と書かれていた事が背中を押した。興味のある事だけじゃなく、できないと思うことをやってみる事で、見える世界が開けてくるかもしれない。
ここからが意外な展開だった。
学童のボランティアをやります、と返事をしたところ、担当のおじさまから「○○さん(私の名前)に紹介したい男性がいるんだけど、一度会ってみないか」となんと異性との出会いのチャンスが現れた。
おいっ、未だ無職のお前が恋愛なんぞに現を抜かしていていいのか?恋愛っつーのは、相手を想いやる事が大事なんだぞ!自分の足りない所を埋めようなんて自分本位じゃ駄目なんだぞ!
ともう一人の自分が江頭2:50ばりのテンションで説く。
でもさ、出会わなければ今まで通りだけど、出会ったら見える物もあるかもしれないじゃんか。
見た上でその先を決めたらいい。