カブトムシとハイエース 「報告63日目」
カブトムシは今でも売れるんだなあ。
カブトムシといえば、今午後の紅茶のCMでaikoのカブトムシが使われているらしい。
私世代(30代)を狙っているんだろう。確かに流行りました、カブトムシ。
当時私は16歳で、初めて付き合った人がaikoが好きで、aikoの曲を聞き込み、「奴はこういう女が好きなのか」とaikoに合わせてようとした。aikoはお洒落で、よくファッション雑誌に登場していたから、当時aikoになりたかった女子は多かったと思う。ちなみに私はaiko経由でKANさんを好きになる。「夏は二の腕発情期」なんてずるいよなぁ。女優さんとの詳細な妄想デートを語る関根勤さんに通じる爽やかスケベ感。
仕事が決まった。週4日のフルタイムの契約社員。なぜ週5ではないかというと、まず、心と体のバランスを考えてそこが生活と理想の妥協点かなと思ったから。週1は別に仕事を作るのが目標。1年以内に週1月3万を目指す。食い扶持はいくつもあるとどこかが駄目になっても無収入ではなくなるから精神的に少しは楽になる。
という話を尊敬する先輩に話したら、いくつかお金になるかもしれないアイデアを頂いた。それは私からすればとても勇気のいる事で、失敗したら自分自身までつまらないと言われたように感じてしまう、怖い事だった。「私には無理…」と言いかけた時、脳内のアナキスト(イメージは山下陽光さん)がハッパをかける。
「あんた、昨日1日1fearって言ってたじゃないっすか!やるしかねーっすよ、ギャンギャン!」
怖がる私にパンクロックで火をつけて見切り発車で、さっそく準備にとりかかろうと思う。形になったら報告します。一応言っておきますが、化粧品や美顔器やフライパンを売るお仕事ではありません。
頭の中の熱い渦を口に出すとしゃばしゃばのぬるま湯で、軟体動物の如くふにゃけて脱力してしまう。
夜中に暑くて目が覚めて、着替えようとしたらTシャツが肌にくっついて絡まって脱げず、「んあっ!」と力入れたら手が滑って近くの壁にガン!と強打して、「服も一人で脱げないのかよ」と情けなくて痛くて笑いが止まらなくて最後に泣いた。
まぁそんなしょっぱい日々です。感銘を受ける音楽や映画や本もしょっぱい、苦い話ばかりです。
鹿児島にいる友人を訪ねたり、モバイルハウスを見に行ったり、地元の合唱団の練習会に行ったり、友人達を集めて月1回行っている映画会の作品選びをして日々が終わる。今日も良い天気だった。ありがたい。夕暮れの光が緑のグラデーションや雲のふくよかさを際ただせ、ゆっくり幕が下りるように暗くなっていく。光が降りていくのを眺めながらウォーキングをする。なんとなく今日もこれで良かったのだと腑に落ちてくる。無職になってこの時間が一番好きだった。
今日の初体験63 珪藻土を塗る
知人のシェアハウスの壁塗りを手伝う。漆喰塗りを先にしていたからか、珪藻土の塗りやすさに驚く。垂れない。伸びる。砂壁に下地液を塗って
せーの
すっ!
進む、進む。
完成。遠目から見ると
こんな感じ。壁が白いと部屋が明るく見える気がする。
作業のお礼に、とマニアックな温泉に連れて行ってもらった。住宅地と田んぼの間にあり、おそらく地元の建設業か農家の人が穴補ったら温泉出てきちゃったよみたいなノリで始めたであろう雰囲気。露天風呂の屋根はビニールハウスで、ロビーでは焼き芋を売っていて館内には芋の香りが漂う。意外にも絶え間なく客は来て、焼き芋や野菜を買って帰る。ここは暮らしが見える温泉なんだなぁ。
今日のBGMフラワーカンパニーズ「ハイエース」
音楽ライター兵庫慎司さんのツィッターで、「ハイエース」の全歌詞が載っているポスターを見た。
フラワーカンパニーズ「ハイエース」、13年後の「深夜高速」であり、あの曲に迫る名曲だと思っていたが、「迫る」じゃないかも、「超える」かも、という気がどんどんしてきた。メディア上で「深夜高速」をよいと言った著名人は全員聴くことを義務づけたい思いです。現象になってほしい。なるべき。 pic.twitter.com/0NPmPEB7sy
— 兵庫慎司 (@shinjihyogo) 2017年8月11日
ハイエースで長時間移動するバンドマンの話。でもバンドマンじゃなくてもぐっとくる。武道館が終わって、30代の圭介さんが「深夜高速」で求めていた生きてて良かった夜は見つかったんだろう。その先
は続けること。ぼやけた気持ちと老化を意地と執念でできなくなるまで続ける覚悟の歌。あるバンドマンは「この歌は僕にとって救いでもあるし、呪いでもある、とんでもない歌だ。胸が苦しい」と言っていた。先輩がこんな歌歌ったら、下手に辞められないよなぁ、そういう意味の呪いなのかな。